週末は旅に出よう!理系女子的会社員の世界旅行談

会社員をしながらいかに効率良く海外旅行に行くかを日々模索している理系女子の旅行コラム&旅行記です。個人旅行あり、パックツアーあり、一人旅あり、女子旅あり、グループ旅行あり。海外旅行に行く時の参考にしてもらえる記事を目指しています。

楽友協会・美術史博物館~音楽の都ウィーンは音楽だけじゃなかった!(2016年オーストリア旅行#3)

2日目続き ウィーン市内観光(楽友協会・美術史博物館)

さて、シェーンブルン宮殿の見学を終えて、11:30頃から移動を開始しました。

再び地下鉄U4号線に乗って、カールスプラッツ駅(Karlsplatz)まで。

この日の午後に楽友協会(Musikverein)のガイドツアーと、翌日にウィーンフィルハーモニーのコンサートをネット予約していたので、チケットの引き換えをしなくてはいけませんでした。

カールスプラッツ周辺を散策

楽友協会はカールスプラッツ駅から歩いてすぐのところにあります。

楽友協会は、ウィーンにあるクラシック音楽関係者の団体とその本部の建物を指すのですが、今回は建物の方です。

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ウィーンの楽友協会は、クラシック音楽好きな人だったら絶対に行ってみたいところ!\(^o^)/

あのウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が本拠地を置いていることと、世界一素晴らしい音響のホールがあることで有名です。

今でこそPOPSも聴きますが、父親の影響で音楽と言えばクラシックで育ってきたので、本気のファンほど詳しくないにしても、やっぱりここには行きたくて( *´艸`)

チケットの引き換えは意外と簡単で、正面左側にあるチケットオフィスへ行き、そこの窓口で予約時に送られてきたメールのプリントアウトしたものを渡すとスムーズに引き換えをしてくれました。

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ガイドツアーは13:00開始で、まだ1時間くらい余裕があったので、昼食を取ることにしました。

ザッハトルテで有名なホテルザッハーが近くにあるので、カフェでランチでも、と思ったのですが…すごい人で断念(;´・ω・)

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諦めてうろうろしていたら、ウィーン国立歌劇場前のトラムの駅にケバブ屋さんのスタンドがあって美味しそうだったので思わず購入(*'ω'*)

ヨーロッパでケバブ?と思う方もいるかもしれませんが、ヨーロッパではB級グルメとしてドネルケバブが有名なんです。

特にドイツやオーストリアはトルコからの移民が多いらしく、美味しいドネルケバブが食べられます(*´▽`*)

前年のドイツ旅行でそれを知っていたのでチャレンジしてみましたが、これがアタリで、なかなか美味しい!(4.5ユーロ)ひとつでお腹いっぱいになります。

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ランチが思いのほか早く済んでしまったので、ウィーン国立歌劇場近くをうろうろ。

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近くにリングシュトラーセン・ガレーリエンというショッピングモールがありました。

地下にはBILLA Corso(ビラ・コルソ)という大型のスーパーマーケットがあって、ここでお土産なんかを物色。

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チーズやハム・ソーセージの売り場ではパンに挟んでサンドにしてテイクアウトすることもできました。

トイレも無料で借りられた!覚えておこう!

 

楽友協会

ガイドツアー

12:50くらいに先ほどチケットを引き換えたチケットオフィスに集合します。

すっごい狭いところなんだけど、ツアー待ちの人でぎゅうぎゅう(>_<)

大半が西洋人で、アジア人は少なめ。日本人もちらほら。

楽友協会のHPに行くと、「楽友協会は博物館ではありません。従って、一般的なガイドツアーは実施されていません。」となかなかな高飛車な(?)注意書きが書いてありますが、楽友協会が主催するガイドツアーであれば、内部見学が可能です。

ガイドツアーは英語かドイツ語しかありませんが、楽友協会のHPから予約ができて(カードで支払い要)6.5ユーロでした。

私がチケットを引き換えていた時にも、当日券を求めて何人か窓口にいましたが、英語のツアーは売り切れと言われていたので、予定が組めるならHPから事前予約がいいかもです。

開始時間になると女性のガイドさんが登場して案内が始まりました。

チケットオフィス横のドアから内部に入って、まずはロビーに向かいます。

(内部は全て撮影禁止となっていました。そのため内部の写真がありません)

まずロビーで楽友協会の歴史について説明がありました。

  • 楽友協会沿革
    ウィーンに楽友協会ができたのは1812年で、ここはかつて城壁があったところで、その跡地に楽友協会の建物を作ったのが始まり。
    現在の建物はデンマーク生まれのテオフィル・ハンセン(建築家)により、1870年に建てられた。
    1872~75年にはブラームスが音楽監督を務めるなど、高名な音楽家たちが関わっている。
    10年ほど前に正面広場地下に新しい4つのホールが作られていて、この建物と地下でつながっている。

次に地下にある新しいホールに向かいました。

階段の上り下りがあるけど、みんな足腰は大丈夫か?とか聞いていました。

エレベータもあるようです。

新しいだけあって、建物の中は現代的な普通のホールと同じようでした。

  • グラス・ホール
    ここは主にリハーサルなどに使用され、少ないながら座席もあるので、小規模のコンサートもできる。
    壁一面にメタルの反響板が貼ってあり、この反響板が可動し、角度を変えることによって、「黄金のホール」や「ブラームス・ホール」と同様の状態を作り出すことができるとのこと。

その後、地上に戻り、小ホールに移動。

この日はコンサートの準備をしていたのか、楽器が運ばれてきたり、楽器を鳴らしたりとバタバタしていました。
いよいよ、最後にこのガイドツアーのメイン、大ホールへ。

黄金の音Groser Saal

  • 「黄金のホール」(Groser Saal グローサーザール)
    大ホールは「黄金のホール」と呼ばれており、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートが開かれるクラシック界ではとても有名なホール。

ホールに入った瞬間、黄金のホールの名の通り、その煌びやかさにため息がでます。

四角いホールで、天井や柱の様々な装飾が伝統と格式を感じさせます。

説明があるので椅子に座って下さいと言われ、椅子をみると、豪華なホールには似合わないクッションもない折り畳みの木の椅子。

実はこれらもこのホールの音響に関わっているのだそう。

 

「黄金のホール」は金で装飾されていることだけでなく、黄金ほど価値のある音のホールとしての意味もあります。

この建物を設計したテオフィル・ハンセンは、ウィーンの美術アカデミー出身ですが、アテネでギリシア古典建築を学んでいました。

建築家として、当時知りうる音響効果を考慮して設計しているのですが、ここまで音が良くなったのには、いろいろな偶然が重なってのことなのだとか。

このホールを音楽の神殿というコンセプトで、ギリシャ神殿のスタイルを取り入れたことが、ギリシャ建築独特の比率などにより音響に良い効果をもたらしました。

しかし、神殿のように大理石や黄金で装飾したかったものの、そこまでの資金がなく、全てを木で作ったのです。

柱にある女神像も木製で中が空っぽで金箔貼りだったり、座席前の大理石風の仕切りも木の板に大理石風の模様を描いたものだったり、ホールの下が椅子を仕舞うため空洞になっていることだとかが、共鳴の役割(バイオリンの中が空洞で響くのと同じ)を果たしているのだそうです。

つまり黄金のホール全体が共鳴効果を生み出す楽器と同じだったのですΣ(・ω・ノ)ノ!

 

そんなすごいホールで聴く、世界一のウィーンフィルの音はどんなものなのか、楽しみです!!

クラシックに興味がある人にはぜひ行ってほしいところです。

 

ちなみに、トリップアドバイザーなどでホールの写真を見ることが出来ます。

見学時間は45分となっていますが、ショップでグッズを見たり、お手洗いを借りていたら14:00くらいになっていました。

 

シュテファン大聖堂

ケルントナー通りからシュテファン大聖堂へ

次はウィーンの象徴とも言うべきシュテファン大聖堂に向かいます。

ウィーン国立歌劇場の横からケルントナー通りへ。

歩行者天国になっていて、ウィーンの目抜き通りです。

オープンカフェやいろいろなお店があり、たくさんの人です。観光客もいっぱい。

やがて、開けた広場みたいなところに突き当たると、そこにはシュテファン大聖堂!

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シュテファン大聖堂はウィーンのシンボルです。

周囲にはお土産屋がたくさんあり、ツアーやコンサートの客引きもたくさん(^-^;

日本人は結構クラシックコンサートが好きなようで、モーツァルトの仮装をした人に日本語でコンサートの勧誘をめっちゃ受けました。

(中国人とか韓国人とか他のアジア人には行かない…)

せっかく音楽の聖地に来て、行き当たりばったりで、適当なコンサートは聴きたくなかったので、私は日本で事前に全て予約して行きましたが、「クラシックにはそんなに興味ないけど、旅の思い出にそれらしいことをしてみたい」というのであれば、現地で申し込むのもアリかもしれません。

 

シュテファン大聖堂とモーツァルト

シュテファン大聖堂は、ウィーンで必見のゴシック様式の大聖堂です。

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ハプスブルク家の歴代君主の墓所で、モーツァルトの結婚式と葬儀が行われた場所としても有名です。

この聖堂を含むリンクと呼ばれるウィーン歴史地区ユネスコ世界遺産に登録されています。

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シュテファン大聖堂は入口だけなら無料で見れるのですが、主祭壇の近くや、カタコンベ、塔の上に登ろうとすると料金がかかります。

全部に入れるオールインクルーシブチケット(聖堂、オーディオガイド、カタコンベ、南塔のエレベータ、宝物殿、オーディオガイド)というのがあるので、それを購入するつもりでした。

塔やカタコンベの見学は16:30頃までだったので、まだ大丈夫だろうとカウンターに行くと(15:30くらいでした)、今日はもう売れないとのこと(゚Д゚;)

理由は良くわからないのですが、主祭壇の近くに行くチケットは大丈夫なようでしたが、なぜかオールインクルーシブチケットは売ってもらえませんでした…(ノД`)

仕方ないので、シュテファン大聖堂の外側にあるクルツィフィクス礼拝堂へ。

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モーツアルトは1791年35歳で亡くなったのですが、葬儀は大聖堂の教会内では行なわれず、一般人と同じ一番安い葬儀で、地下納骨堂に通じる狭い教壇で行なわれたそうです。

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葬儀の後は、教会外部の北東にあるクルツィフィクス礼拝堂に一時安置されたので、内部の十字架の下に「この場所で1791年モーツァルト聖別」と書かれた銘板があります。

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偉大な音楽家がなぜこんな最期になってしまったのか、諸説ありますが、彼の天才的な才能と死のミステリーは現代でも人々を惹き付けます。

 

グラーベン通り

シュテファン大聖堂前でケルントナー通りと交わるグラーベン通りを歩きます。

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グラーベン通りも、ケルントナー通りと並んでウィーン旧市街の目抜き通りです。

しばらく歩いて行くとペスト記念柱(三位一体記念碑)が立っています。

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皇帝レオポルド1世が、ペストが終結したことを記念して建てたものです。

 

ペーター教会

ペーター教会はウィーンで2番目に古い教会だそうです。

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2本の塔があるバロック様式の美しい建物で、グラーベン通りから少し奥まったところにありますが、とっても綺麗な教会なので知らずに歩いていても目を惹きました。

周りの建物とはちょっと格が違うというか…。

それもそのはず、ベルヴェデーレ宮殿を手がけたルーカス・フォン・ヒルデブラントによって18世紀に改築されたのだそう。

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教会内部は、正面奥の主祭壇、天井のフレスコ画など、この規模の教会からは想像できない素晴らしいバロックの世界が広がっています。

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グラーベン通りの雑踏とは切り離された聖なる世界がそこにはありました。

ここでは、無料のオルガンコンサートが毎日開催されています。

また時間を合わせて来ることにしました。

 

ヨーロッパ屈指の美術館「美術史博物館」

大聖堂が見れなくてちょっと時間に余裕ができたので、一旦ホテルに戻ることにします。

これから先は写真重視ではないので、一眼レフとか重い荷物を部屋に置いて、夜に備えて身支度し直しです。

ホテルからはトラムD線を使ってマリア・テレジア広場前まで。

ホテルの近くにトラムD線の折り返し駅があるので、リンク沿いの名所を巡るのにはとても便利。

 

マリア・テレジア広場

この日の夕方からは美術史博物館へ行くことにしていました。

普段は17:00閉館なのですが、木曜だけ21:00まで開いているのです。

マリア・テレジア広場にはマリア・テレジアの像が。

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この像に向かって右側が自然史博物館、左側が美術史博物館です。

自然史博物館にも貴重な展示はあるのですが、今回は何といっても美術史博物館です。

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ヨーロッパでも指折りの美術館とも言えるコレクションの数々。

新王宮を手掛けたカール・フォン・ハーゼナウアーとドイツの名建築家ゴットフリート・ゼンパーによって建てられました。

入場料は14ユーロ。

絵画部分は21:00までですが、1階のクンストカンマー(美術工芸収集室)は18:00までなので、まずはこちらから見ていきます。

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エジプトのミイラや、

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古代ギリシャ・ローマ時代の大理石の彫像など、ハプスブルク家歴代の皇帝、大公が収集した貴重な工芸品が展示されていて、絵画に負けず劣らず、こちらも興味深い。

大英博物館ルーブル美術館が好きな人には絶対おすすめ!

 

さて、2階へ。

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ここでも要チェック!

階段ホールの壁画装飾はあの「接吻」で有名なクリムトなんです!贅沢!

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2階には、ハプスブルク家の膨大な名画コレクションが展示されていて、デューラールーベンスラファエロをはじめ、世界で最大のブリューゲルの作品群で有名です。

普通の美術館だと、目線の位置に一枚一枚絵が掛けられているものですが、ここでは数が多すぎて、壁一面天井近くまで絵画で埋まっているのです。

そしてその作品一つ一つがまた素晴らしく、見惚れてしまいました。

フラッシュをたかなければ写真撮影はOKですが、この作品群の迫力は写真では伝わらないと思います。

 

ブリューゲルバベルの塔

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ラファエロ『草原の聖母』

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フェルメール『絵画芸術』

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アルチンボルド『夏』

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ヴァン・ダイク『サムソンとデリラ

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カラヴァッジョ『ロザリオの聖母』

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私はルーベンスの作品が好きなので、ルーベンス部屋は何周もしてしまいました(*´ω`*)

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ルーベンスはあの「フランダースの犬」でネロが憧れて死ぬ前にようやく見れたキリストの絵の作者です。

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ルーベンスの宗教画も素晴らしいのですが、こんな絵も描いています。
ルーベンスメデューサの頭部」

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ようやく見れたルーベンスの絵がこれだったらネロはショック死です(゚Д゚;)

でもルーベンスのこういった生々しい表現力、好きなんですよね。

宗教画にしても、人が人としてリアルに描かれているところ。

時間を忘れて閉館近くまで3時間半も滞在してしまいました…。