シェーンブルン宮殿~ハプスブルグ家の栄華を今に伝える(2016年オーストリア旅行#2)
2日目 ウィーン市内観光(シェーンブルン)
4/28(木)旅行2日目。
朝起きて窓の外を見てみるととってもいい天気!これは幸先いい!(≧▽≦)
いよいよ観光スタートです!
しかしホテルから一歩外に出ると…ううっ、さ…寒い…(-_-;)
前日は移動に必死だったのであまり気にならなかったのですが、4月下旬とは言え、ウィーンはまだまだ寒かったです。
日本の3月くらいでしょうか(関西基準)。
日本で晩秋や春先に着るようなコートを着ていたのですが、ダウンや手袋、マフラーは普通にあってもいいと思ったし、現地の人もそんな服装でした。
足元も素足にジーンズは厳しかった(-_-メ)
部屋にとって返し、コートの下にユニクロのライトダウンを重ね着しました。
世界遺産「シェーンブルン宮殿と庭園群」
シェーンブルン宮殿への移動
ホテルを7時過ぎに出発して、ウィーン地下鉄(U-Bahn Wien)でシェーンブルン宮殿に向かいます。
私は「Wochenkarte」という1週間乗り放題券を買いました(16.2ユーロ)。
月曜始まりで日曜日まで使えるチケットなのですが、私の場合は週半ばで買っても木曜日から日曜日まで使えるので、24/48/72時間券(7.6/13.3/16.5ユーロ)を買うよりもお得でした(前の日に買えていればさらにお得だった(>_<))。
チケットは市電、バス、地下鉄に共通使用できるので、これで移動が楽になります。
U1号線Wien Hauptbahnhof駅からカールスプラッツ駅(Karlsplatz)へ行き、U4号線に乗り換えてシェーンブルン駅(Schönbrunn)へ。
駅からは宮殿の黄色い外壁に沿って門まで歩いて10分くらいです。
シェーンブルン宮殿はオーストリアの代表的な世界遺産なので、年間入場数150万人、世界中から観光客が訪れます。
昼前になると大混雑で、チケットを買って入場するまで1~2時間以上かかることもあるらしい(゚Д゚;)
朝一番に行くと待ち時間なしで入れるということだったので、平日の今日朝一番はまずシェーンブルン宮殿にしました。
この週末には日本もGWに突入するので、日本の団体旅行客も押し寄せるだろうしね。
チケットオフィスや宮殿が開くのは8:30なのですが、8時前にはシェーンブルンに到着しました。
門はもっと早くから開いていて、庭園は自由に見学することができます。
特に綺麗な写真を撮りたい場合は、開館時間より前が人がほとんど居なくてお勧め。
ちなみに朝は、お庭を周回している宮殿ランナーがいました。
日本でも皇居ランナーや大阪城ランナーがいますが、どこの国でも城周りは走りやすいんですかね?
シェーンブルン宮殿のチケット
シェーンブルン宮殿はハプスブルク皇帝の夏の離宮で、ヨーロッパで最も美しいバロック宮殿の一つと言われています。
広大な敷地内には宮殿の他、馬車博物館、グロリエッテ、植物園、世界最古の動物園、温室などがあります。
宮殿内には1441の部屋があるそうですが、そのうち45部屋が一般公開されていて、女帝マリア・テレジアや皇妃エリザベート(シシィ)の暮らした数々の豪華な部屋を見ることができます。
チケットオフィスに行くといろんな種類の入場チケットが用意されていて、知らないと迷ってしまいます。
宮殿のみを見学したい場合は次の2種類のチケットになります。
- インペリアル・ツアー(13.3ユーロ)
フランツ・ヨーゼフ皇帝1世とエリザベート皇后夫妻の居住、公式セレモニーのための広間など22室を見学できるコース。
オーディオガイド(日本語あり)を聞きながら自分で見学する形で、所要時間は約30~40分です。
- グランド・ツアー(16.4ユーロ)
インペリアル・ツアーのコースに加え、18世紀の女帝マリア・テレジア時代の部屋など全40室を見学できるコース。
オーディオガイド(日本語あり)を聞きながら自分で見学する形で、所要時間は約50~60分です。
こちらはガイドによる案内(ドイツ語と英語のみ)もあって、追加料金が必要です。
注意点は、この2つのチケットは入場時間が指定されてしまうこと。
混雑する時間帯だとチケットを買ってもすぐに入場できず、1時間以上待たされることもあるのだとか。
この他に、敷地内や市内にある様々な施設とのコンビチケットなどがあります。
私がウィーン観光でお薦めするのは、
- シシィ・チケット(Sisi Ticket、28.8ユーロ)
シェーンブルン宮殿のグランド・ツアー(16.4ユーロ)+ホーフブルク王宮入場券(12.9ユーロ)+宮廷家具博物館入場券(7.9ユーロ)がセットになっています。
市内の観光で王宮には行くことになると思うので、この2箇所だけでも0.5ユーロお得になります。
さらに、このチケットは発行日より1年間有効で、3つの施設に各1回入場できるというもの。
当日に全ての施設を回らなくても日を改めることもできるし、シェーンブルン宮殿へ入場する際の時間指定もありません。
シェーンブルン宮殿内部の見どころ
シェーンブルンとは「美しい(schön)泉(Brunn)」という意味で、17世紀初頭に神聖ローマ皇帝マティアスが狩猟時に美しい泉を発見したことに由来しています。
マリア・テレジア・イエローと呼ばれる明るい黄色の外観の壮麗な宮殿。
しかし、マリア・テレジアが特に黄色が好きだったわけではなく、外壁は金を塗ろうとしたところ、マリア・テレジアが財政の状況を考慮し、黄金に近い黄色にしたそう。
無駄遣いをしないところがデキる経営者っぽい(゜.゜)
シェーンブルン宮殿は、「ベルサイユ宮殿に匹敵する宮殿を」と言うレオポルド1世の命令で1696年に着工しましたが、スペイン継承戦争や皇帝の急逝で建設は中断。
18世紀半ばマリア・テレジアの時代に大規模改築され、バロックとロココの様式を持つ宮殿が完成しました。
王家の夏の離宮として使われた他、ナポレオンの占領やウィーン会議など、数々の歴史ドラマの舞台となった場所でもあります。
公開されているのは2階部分。
- フランツ・ヨーゼフ1世の執務室
シシィや子供たちの肖像がたくさんあって、本当に奥さんや家族が大事だったんだな~ということがすごく伝わってきました。
漠然と皇帝って有能な家来に政治は任せて、豪遊・好き放題しているイメージしかなかったけど、彼はきちんと国民に向き合って政治を行っていて、仕事をしながらでも癒されたい想いがこの部屋だったのかなって感じがしました。
- フランツ・ヨーゼフ1世の寝室
フランツ・ヨーゼフ1世が息を引き取った部屋。
シェーンブルンの他の部屋に比べると質素で、皇帝の部屋とは思えない。
- フランツ・ヨーゼフ1世皇帝夫妻の共同寝室
シックで落ち着いた素敵な部屋なんですが、新婚当時16歳のシシィの好みではなく気に入らなかったそう。
さらに結婚後数年しか一緒に使われず、皇帝はシシィから立ち入り禁止にされたらしい…(´・ω・`)
執務室の肖像画たちを見た後だと切ない…
- 化粧室
ハプスブルク家の女性たちが夜会服を着るときの支度部屋。
シシィが毎日3時間もかけて髪を手入れしたブラシや、体重計があります。
時代は違ってもやっぱり体重は気になるんですね…( *´艸`)
- マリー・アントワネットの部屋
マリア・テレジアの娘でフランスのルイ16世に嫁ぎ、フランス革命でギロチンの露と消えたマリーの部屋。
後に皇帝のダイニングルームになったので、あまりマリーの部屋という感じはしないのですが、マリーの肖像画が飾ってあります。
- エリザベートの浴室
大理石のバスタブにシャワーもあり、現代と変わらないような作りが驚きでした。
シャワーからどうやってお湯が出ていたのかとか、機構が気になるよね(*'ω'*)
壁に輪っかが取り付けてあって、エリザベートの長い髪が濡れないようにかけておいたのだとか。
この時、モーツァルトは、マリア・テレジアの膝に飛び乗って何度もキスをしたり、
床で転んだところを助け起こしてくれたマリー・アントワネット(当時7歳)に「君は優しいね。ぼくのお嫁さんにしてあげる。」と言ったとか、モーツァルト大物だなオイ、ってエピソードがあります。
- 大ギャラリー
皇室主催の舞踏会やレセプションに使用された長さ43m、幅10mの大広間。
1814年ウィーン会議や1961年米国ケネディとソ連フルシチョフの東西首脳会議が行われたのもこの部屋。
現在では、オーストリア政府は、海外からの国賓をここで国家公式晩餐会を開いて歓待しているそうです。
- ナポレオンの部屋
元はマリア・テレジアの寝室で、ナポレオンがウィーンを征服した時に寝室として使用していたそう。
女帝の寝室を自分の寝室にするって、乗っ取ってやったぜ、俺が皇帝だぜ!みたいな満足感があったのかな…
- 青の中国の間
1918年、最後のオーストリア皇帝カール1世は、この部屋で皇帝位を放棄する声明文に署名したそう。
ハプスブルク王朝640年の歴史に終止符が打たれた歴史的な部屋。
シェーンブルン宮殿内部は残念ながら写真撮影禁止なので写真はありません。
音声ガイドを聞きながら見学して、宮殿を出ると10時を回っていました(゚Д゚;)
公式には所要時間約1時間と言われていますが、1時間半もかかってしまいました(^-^;
シェーンブルン宮殿の庭園
朝は宮殿の周りしか見れなかったので、庭園散策をしながら、ネプチューンの泉とグロリエッテへ行ってみることにしました。
上の方の神殿みたいな建物がグロリエッテ、手前の噴水がネプチューンの泉。
上の写真は望遠で撮っているので近いように見えますが、実際はめっちゃ遠い(*´Д`)
宮殿から泉まで400mくらい。
そこから、丘の上のグロリエッテまで結構な坂道を600mくらい登ります。
宮殿からトータル1km(;'∀')
途中でネプチューン像の裏側にも入れたりします(*´▽`*)
グロリエッテは1757年、女帝マリア・テレジアが対プロイセン戦の勝利と戦没者の慰霊の為に立てたギリシャ建築の記念碑(未完成)で、ここからはシェーンブルン宮殿が眺められるばかりか、遥か遠方のシュテファン大聖堂までをも一望することができます(≧▽≦)
グロリエッテの中は入っていませんが、カフェになっていて、さらに入場料を払えば、屋上にも登れます。
他にも庭園にはローマ遺跡風のモニュメントなんかもあり、きっと一日居ても飽きません。
この旅行で一番にシェーンブルン宮殿に来たのは正解でした。
オーディオガイドで見学するだけで、ハプスブルク家や、マリア・テレジア、フランツ・ヨーゼフ1世と皇妃エリザベートについての背景も一通り知ることができたので、この後の観光の理解が深まりました(*´ω`*)
しかし、全部回るのに3時間くらいかかった…ハプスブルグ家恐るべし。